展示会特別企画:「IIFES 2024」誌上レビュー

【(2)出展社】

信頼性,メンテナンス負荷軽減で, 豊かな水環境を守る計測機器

1.UV計(有機汚濁測定装置)「UV-10」:紫外光光源に深紫外LEDを採用

UV計 UV-10は,紫外線吸光光度法によりUV吸光度を測定する装置。UV吸光度はCOD(有機物汚濁を示す指標)との相関が強く,無試薬で連続測定できるため,水質総量規制に係るCODの算出が可能であり,下水処理場,工場の排出水などにおける水質監視にUV計が用いられている。

UV計の光源は従来から水銀ランプが使用されており,定期的なランプ交換,水銀ランプ廃棄の環境負荷など,水銀ランプ方式のUV計にはいくつかの課題があった。その課題である環境面やメンテナンス負荷軽減のニーズに応えるため,長期間安定した吸光度測定を実現する深紫外LED式UV計 UV-10を開発した(写真1)。


写真1 深紫外LED式UV計「UV-10」


(1)特長

・光源に深紫外LEDを採用。従来の水銀ランプに比べ,長寿命化を実現。

・長寿命なLEDによりメンテナンス負荷やランニングコストを削減,水銀フリー化で環境負荷も軽減。

・自動ゼロ校正とワイパによる自動洗浄を定期的に行うことで安定した計測が可能。

・採水式,浸漬式の両方式に対応。

(2)仕様

・光源:LED

・測定範囲:吸光度0.0~2.5Abs

・測定項目:UV吸光度,VIS吸光度,UV-VIS吸光度,COD換算値,濁度換算値,水温

・出力:DC4~20mA/3ch,警報出力2点

2.水質監視装置「QW-3000/4000」:保守性を向上させた水道用水質監視装置

水質監視装置QW-3000/4000は,水道水の濁度・色度・残留塩素・水圧を連続的に自動測定。QW-3000は濁度・色度・残留塩素の3項目,QW-4000は水圧を加えた4項目を測定,壁取付けに対応したコンパクトタイプ。

水道により供給される水には様々な水質基準が定められており,定期的な水質検査が水道法で義務付けられている。その中で給排水設備,給水管末における色および濁り,並びに消毒の残留効果に関する検査は毎日実施することとなっている。これらの検査は複数個所を人手による巡回測定をしているケースが少なくはない。省力化を目的に各社から連続して自動測定できる水質監視装置が販売されている。

これから人材不足が進む中でますます水質監視装置の利用が増加すると考えるが,数が増えた装置のメンテナンス作業により保守作業者の負荷が増えないことが必要になると予想される。そこで,当社では保守・点検作業をできるだけ簡便に,ユーザ側で作業することを可能とした水質監視装置 QW-3000/4000を製品化した(写真2)。


写真2 水質監視装置「QW-3000/4000」


(1)特長

・メンテナンス性の向上:保守,交換部品を扉側に集中配置。濁色度計,残留塩素計,ゼロ水フィルタ類他,各々独立した主要部品を扉側に設置することで,部品交換並びに各々のメンテナンス性を格段に向上。

・自動洗浄機能:濁色度計は,ワイパによるセル窓洗浄を行う。残留塩素計は,ビーズ洗浄に加え,定期的に電解洗浄を行う。

・自動ゼロ点校正機能:濁度,色度に関して,ゼロ水フィルタ透過水により濁色度自動ゼロ点校正を行う。

(2)仕様

・測定項目:濁度,色度,残留塩素,水圧(オプション)

・測定方式:透過光測定法(濁度・色度),ポーラログラフ法(残留塩素)半導体検出方式(水圧)

・測定範囲:0~4度(濁度),0~10度(色度),0~3mg/L(残留塩素),0~1Mpa(水圧)

・出力:各測定値DC4~20mA,警報出力2点,故障出力1点,イベント信号,保守信号

3.汚泥濃度計「SD-50」:操作性・視認性が向上,黒色汚泥でも安定計測

複合散乱光式汚泥濃度計SD-50は,主に下水処理場における初沈汚泥,返送汚泥,余剰汚泥,濃縮汚泥,脱水機供給,消化汚泥,脱離液と,黒色系汚泥も含めた幅広い範囲で計測が可能で,旧型SD-40のリニューアル機種となる。

汚泥濃度計は平成13年の発売以来,下水処理場等での販売実績は1000台を超え,全国において下水処理場の計測ニーズに応え,ユーザよりご好評をいただいている。

新型SD-50は,消化汚泥等の黒色汚泥も安定して計測できる複合(2波長)光源による測定方式を踏襲し,検出器のデジタル化や変換器のタッチパネル化,耐環境性向上などを盛り込み,一層利便性の良い製品とした(写真3)。


写真3 複合散乱光式汚泥濃度計「SD-50」


(1)特長

・複合(2波長)光源による相関特性の演算で,黒色汚泥も安定計測。 

・検出器出力のデジタル化により耐ノイズ性向上。

・自己洗浄機能,洗浄ノズル(オプション)により汚泥付着の影響を防止,メンテナンス性がさらに向上。

・変換器を一新,タッチパネル採用により,操作性,視認性が一段と向上。日本語表示を標準装備(英語表示も可能)。 また小型化,軽量化,耐候性アップ。

(2)仕様

・測定方式:近赤外線複合散乱光方式

・測定範囲:0~8%

・出力:DC4~20mA,警報出力2点,故障出力1点

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